色白は百難隠す

土曜日は、秋から兼任講師をする予定のビジネススクールで、学生たちのプレゼンテーションを講評する役目を仰せつかりました。
アナリスト・機関投資家向けの会社説明会用のプレゼンをつくって発表せよ、というのが課題です。この日は90分間に4組が発表し、それぞれ質疑を行ったので、講評に使えた時間はわずか10分間ほど。十分にお話できず残念でしたが、その分は秋からじっくり時間をかけてやるつもりです。
その学生たちのプレゼンの中に、すばらしく美しいパワーポイントスライドがありました。多くの日本企業の会社・決算説明会の資料を見て来ましたが、これほどの水準のものは目にしたことがありません。世界で最初にIRを始めた企業とも言われるGEのソフィスティケートされたスライド資料を、ビジュアル面では凌ぐのではないか、とさえ思いました。
「この資料の仕上げをした人は誰ですか?」
と教室を見回したら、隅の方にいた太目の男性がオズオズと手を挙げました。
「デザインの勉強をしたことがあるのですか?」
「デザイン会社を経営しております」
な~んだ、そういうことか。これが社会人が学ぶビジネススクールの面白いところなんでしょう。
色白は百難隠すなどと言いますが、美しいスライドは内容の問題点をカバーする効用があります。講師がこんなことを言ってはいけませんが、このグループの発表にはつい甘めの評価をしてしまいました。
秋からの講義に私が使うスライドも、もう少しブラッシュアップしなければならないなあ。少々プレッシャーも感じてしまいました。やれやれ。〈kimi〉

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