不思議な注意書き

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会社への行き帰りに毎日利用している東京メトロ有楽町線にもホームドアの設置が進みつつあります。現在は工事中で、ドアは開いたままです。そのような中途半端な状態は危険ということなんでしょう、ホーム上の係員を増やして警戒に当たっています。こういう配慮が日本の社会は実にきめ細かい。やり過ぎという意見もあるでしょうが、これも一種の豊かさというものなんだろうなあ、などと感銘を受けながら何気なく貼紙を読んでいたら、不思議な一文を見つけました。写真の青い矢印のところです。
●ドア位置は柵がなく、軌道に面しておりますのでご注意ください
ちょっと待って。誰だって柵がないことはわかるんじゃない? 軌道(線路のことを鉄道業界ではこう呼ぶのでしょうね)に面していることも一目瞭然です。開業以来、ホームの全長にわたって柵がなく、軌道に面していたにもかかわらず、こんな注意書きは一度も目にしたことがありません。酔っぱらいや目のご不自由な方に向けた注意なのでしょうか。しかし、酔っぱらいが読むとも思われず、目のご不自由な方はもちろん読めません。親切心からであることは理解しますが、実に不思議な注意書きではあります。〈kimi〉

宗谷を見て来ました

宗谷
今月末で休館すると聞いて、船の科学館というところに行ってきました。とくに船が好きというわけでもなく、海が好きというわけでもないのですが、宗谷という古い南極観測船だけは見学しておきたいと思ったのです。
これまでの半生で、〈ちょっとこの飲み屋街を探検してみようや〉といったケースを除くと、探検と名のつく行動をしたことは一度もありません。チャンスもありませんでしたし、積極的に探検に出発するための努力もしてきませんでした。しかし、子どもの頃から憧れてはいました。一度はやってみたいと思い続けて来たのは、古いフォルクスワーゲンのステーションワゴンを駆って草原を旅することなんですが、これは梅棹忠夫さんの影響かな。
さて、宗谷は想像していた通りの小さな船でした。2000トン少々。これで氷山の浮かぶ南極へ行こう、あるいは行かせようと考えたこと自体が、今日の常識では信じられません。しかも6回も。だからこそ当時は探検であったとも言えるのですが。
休館まで1ヶ月を切った船の科学館の入場料は700円から200円へと大幅にディスカウントされていました。良心的とも言えますが、私のような駆け込み見学者でぎわう館内を見ると、経営感覚としてはいかがなものかとも思いました。いかにも社会科見学風の、真面目ではあるけども古典的な展示ともども、これでは休館もやむを得ないかな、と納得しながら帰って来たのでありました。〈kimi〉