玉座のある会議室

会議室の立派なテーブルを取り囲んだ椅子の中に、一つだけひときわ大きな椅子を置いている会社があります。その会社の最高権力者専用の椅子に間違いありません。最高権力者が出席しないミーティングでも、そのチェアに坐る人は誰もいません。侵すべからざるチェア。玉座とも言えるでしょう。
ある会社ではいくつかある工場の会議室にそれぞれ玉座が用意されていました。社長が工場に視察に来たときに備えているわけです。
社長はえらい。これはどの企業でも変わりません。企業のガバメントという観点からも、それは認めざるを得ないところがあります。社長の指示を社員が無視する会社というのはアブナイですから。しかし、社長の前では社員は何も言えない、ただただアタマを下げているだけ、という企業体質もまた非常にアブナイ。社長におうかがいを立てなければ何事も決まらない。にも関わらず、なかなか社長には具申できない。おっかなくて、なかなか言い出せないという企業体質なのではないかなあ。玉座のある会社にはそんな臭いがプンプンします。