怠け者の言い訳

ずいぶんブログを怠けてしまいました。
間隔が空くと、その言い訳を書かなくてはなりません(そんな法律はないと思うけど)。ということは「書くネタができた」ということでもあります。
世に多いブロガーたちも書くネタには困るようで、彼らにネタを提供するというビジネスが成立しています。そのネタモトはもちろん企業であって、こんな類のことも広報の仕事の一部になろうとしています。
この土日に、日本広報学会の研究発表大会が埼玉県の某大学で開催されました。そこでの発表にもブログに関するテーマがいくつか出されていて、いずれこのような仕事が広報のメインストリームになる日が来ることを予感させました。
さて、私がブログを怠けていたのはネタ切れのためではありません。あえて言えば、脳味噌のキャパシティがなくなっていたのです。ここんところ、なんだかとっても忙しい(≠儲かっている)。あちこち行ったり、あれこれ考えたり、あっちの仕事こっちの作業、それに頼まれ講義などが重なってくると、すっかり余裕がなくなって、言葉が枯れてしまいました。才能の問題でしょうが、どうにも文章が出て来ない。
そんなわけで怠けておりましたが、ようやくいくらか落ち着きました(=儲からない)。またボチボチと書いてまいります。以上、怠け者の言い訳でした。〈kimi〉

ビジネスマンの狭い世界

今日の産経新聞に、「広告主による番組評価」という記事が出ていました。大手企業や研究機関で組織する「優良放送番組推進会議」が投票による番組評価をしたら、視聴率ランキングとはずいぶん違った結果になった、という内容です。投票したのは参加企業の社員とのことです。
その記事によると、報道番組で最も票を集めたのは、テレビ東京系の「ワールドビジネスサテライト(WBS)」、以下NHK「クローズアップ現代」、同「週刊こどもニュース」、TBS系「サンデーモーニング」の順で、視聴率では一番の「NHKニュース7」は5位にとどまったそうです。
「広告の費用対効果について新たな物差しを広告主自身が生みだそうという試み」だそうですが、この順位はまさしくビジネスマンの尺度です。
ぜひこの発表の内容をWBSで取り上げてもらいたい、といった声を企業の幹部から聞くことがあります。ビジネスネタに特化したユニークな報道内容を評価してのことだとは思いますが、一方では、自分自身が毎晩見ている番組で取り上げてもらいたい、という気持も含まれているように推測します。
忙しいビジネスマンはどうしても帰りが遅くなるものです。とくにエリートは帰りが遅い。9時のNHK「ニュースウオッチ9」に間に合うかどうか。10時のテレビ朝日系「ニュースステーション」は好みの分かれるところ。となると、自然に11時からのWBSということになります。「NHKニュース7」への投票数が少なかったのは、評価が低いというよりも、見ることができないためでしょう。「週刊こどもニュース」も「サンデーモーニング」も土日の番組です。
ビジネス視点からの番組評価にも一定の意味は認めますが、それがすべてとは決して考えてほしくない、というのが私の気持です。
仕事をしないで数ヶ月家でブラブラしていたことがあります。そのとき住宅地を巡回する昼下がりのバスに乗って驚きました。乗客のほぼ全員がバス料金を支払わないのです。車内を見回したら、高齢者パスか障害者パスをお持ちの方々ばかり。そんな現実があることを、毎朝7時の電車で出勤し、昼間はビジネス街で行動し、8時過ぎの電車で帰ってくる生活をしていた私はまったく知りませんでした。
ビジネスマンは、自分たちが身を置く世界だけがすべてだと勘違いしがちです。しかし、それは本当に限られた、狭い狭い世界なのだということを認識する必要があります。〈kimi〉

ブッたでしょ!

今朝の満員電車での出来事です。
私から3人ほど離れたところから突然「アンタ、ブッたでしょ!」という鋭い声が飛んできました。マスクをかけた女性がけわしい目で誰かを睨んでいます。
しばらく沈黙が続き、やがて電車は次の停車駅のホームへ滑り込みました。そろそろ次のアクションが起こりそうだな、と思っていると、案の定「アンタ、ブッたよね!」と再びきびしい声が聞こえました。
「ブッてないから」と冷たく答えたのは、私に背を向けている女性です。
「ブッたよ。2度も3度も、ヒジでブッたじゃない」
以下、同様の繰り返しが続いたので省略しますが、マスクの女性はこう言い出しました。
「ここで降りなさいよ。降りて駅員さんに言いますから、アンタはブッてないって言えばいいでしょ
そうこうしているうちに、電車はまた動き出してしまいました。二人のテンションは上がるばかりです。近くの男性が、
「どこかに車掌さんへの通報装置はないですか」
と大声を上げました。幸か不幸か、そのような装置は近辺には見あたりません。誰からも声なし。
「次の駅で降りなさいよ」
「なんで降りるのよ。ブッてないんだから」
「それなら駅員さんにそう言えばいいじゃない」
電車は次の停車駅に着きました。
「降りなさいよ!」とマスクの女性は後ろ向きの女性の腕を引っ張ります。
「降りる人がいますから、ちょっと待ってください!」と、ドアから乗り込もうとする乗客を制したのは、先ほどの男性です。この言葉に促されて、対決中の二人の女性はホームに降りました。たまたまそこにいた駅員に、マスクの女性が訴え始めます。補助員のアルバイト学生も駆けつけて、二人を取り囲み、駅員は迷惑そうな顔をしながら、発車の合図をしました
そして電車は動き出し、二人は視界から消えました。
私は一部始終を目撃しておりましたが、ただの傍観者でした。なんで仲裁に入らないんだ、とお叱りを受けそうですが・・・いや実は、どこかで仲裁に入ろうか、と考えてはいたのですが、うまいタイミングが見つかりませんでした。どのようなロジックで説得を進めようかと思案も巡らしたのですが、うまい考えが浮かびませんでした。
二人を置いてきぼりにして電車が走り始めてから、ブツという行為をするくらいなら、原因となる何らかのエピソードがあったはずではないか、と思いつきました。乗車時に先を争ったとか、マスクの女性が顔のそばで咳をしたとか・・・。諍いが始まる前に何があったのか、それを聞き出すことから仲裁を始めればよかったなあ。
もし通報装置が押されていたら少なくとも10分は遅れたでしょうが、電車はほぼダイヤ通りに終着駅へと走り続けました。〈kimi〉