アップルのCEOスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションに最近関心が集まっています。その様子はYouTubeでも見ることができますが、あんなプレゼンができるCEOは、いまの日本には存在しないと断言しておきましょう。そもそも大企業のトップがあのようにフレンドリーに聴衆に話しかける場が日本にはありません。
一言で「国民性の違い」と片付けてしまうのは大いに危険なのですが、日本人の経営者にジョブズ氏のごとく語りかけられても、気味が悪いでしょう。何か下心があるんじゃないか、と疑いたくなるに決まっています。
日本語に訳されたいくつかのジョブズ氏の発言を読むと、その文体の違いによって、ジョブズ氏がずいぶん異なった人格であるかのように思えてしまいます。これは翻訳の上手下手ではなくて、フランクにかつフレンドリーにプレゼンテーションするときに使う日本語の文体(話し方)が未だ確立していない証拠です。
ジョブズ流のプレゼンテーションがいくら話題になっても、日本人のプレゼンはしばらくは現状維持ではないかと予測しております。〈kimi〉