企業やPRエージェンシーがこの1年間に行った広報活動を発表し、それを審査して表彰しようという催しが先日開かれました。
他社がどのような広報活動を展開しているのかを学ぶよい機会でもありますし、そのプレゼンテーションにも興味があります。お手並み拝見、というよりも勉強させていただこうという下心、いや殊勝な心で見学させていただきました。
審査委員ではないので発表された広報活動の中身についての感想は控えさせていただきますが、さすがにPRエージェンシー各社のパワーポイントの出来はすばらしく、プロの仕事だとすっかり感心してしまいました。
広報を仕事にしている人にとって、プレゼンテーションとても重要です。とくに広告代理店やPRエージェンシーにおいては、その出来不出来は直接業績に影響します。弊社もプレゼンテーションの資料づくりには頭を悩ますとともに最大の努力を払っているところであります。
しかし、少し違和感も感じました。スピーチのお粗末さです。ほとんどの発表者が原稿を読んでいました。棒読みとまでは申しませんが、単に読み上げているだけなのです。プレゼンテーションにおけるスピーチになっていません。これには正直がっかりしてしまいました。
企業の広報担当者やPRエージェンシーの担当者は、プレゼンテーションの専門家であるべきだ、というのが自分を棚に上げての持論です。プレゼンテーションの成否は、パワーポイントの出来もさることながら、プレゼンターのスピーチに負うところが大きいのは言うまでもありません。しかし、日本人が最も苦手にしているところがまさにそこなのです。
パワーポイントのスライドのレベルを上げるのは、デザイナーの力も借りれば比較的容易かもしれませんが、スピーチに関してはおいそれとは上手にはなれません。トレーニングあるのみです。メディアトレーニングなどを業務にしているPRエージェンシーのみなさんも、自身のトレーニングにまで手が回っていないのでしょう。それではいけない、と自戒を含めて思ったのでありました。〈kimi〉