気になる専門誌

産経を除く全国紙朝刊1面の下は書籍広告と決まっています。新聞の「品格」を保つためだとはるか昔に教わった覚えがありますが、朝日新聞広告局のサイトに詳しく解説されていました。もっと詳しいというか、愚痴やら苦労話が読めるのは白水社のサイトです。
それはともかく、見る気はなくても目に入ってしまうのがあの書籍広告です。自分の仕事や興味とはまるで関係のない分野の本や雑誌の広告が妙に気になったりします。
たとえば柴田書店の広告。シェフや板前さん、飲食店経営者など玄人向けの専門誌をいくつも出している出版社です。その書籍広告によれば、いま販売中のMOOK「居酒屋」の特集は「つよい看板商品をつくろう」だそうです。そう言われれば、麹町の居酒屋でも金目鯛のしゃぶしゃぶとかきんきの一夜干しとか、看板商品を持っているお店にはまた行きたいなあと思わせる魅力があります。同じ出版社の「専門料理」や「月刊食堂」も、一般向けのグルメ雑誌よりは内容が濃いのではないか、と期待を持たせます。
前々から気になっている雑誌に「寺門興隆」があります。以前は「月刊住職」という誌名だったそうです。お坊さん向けの専門誌ですね。寺門外漢には理解不能と思われる難解な特集が並んでいますが、「葬送儀礼の秩序が急激に崩壊しはじめているその本当の理由」とか「節分の豆まきは危険だという声にお寺はどうすればいいのか?」なんて・・・ちょっと興味をそそられませんか。
同じく仏教系の雑誌に「大法輪」というのもあって、先月号の特集は「神社と神さま」。仏教雑誌がなぜ神様を特集するんだろうと、興味を惹かれてとうとう買ってしまいました。日本の神道の初歩知識がコンパクトにまとめてあって、とても勉強になりました。〈kimi〉

残念なこと

この春先から、就職ポータルサイトを使って人材募集を行いました。弊社としては初めてのことです。ありがたいことに何十名というご応募をいただきましたが、勉強になりましたね、これは。現代社会のありようが応募してくださった皆さまから透けて見えるような気がしました。
その一つは、正社員になった経験がない方々の応募が多かったこと。社会に出て以来契約社員やアルバイトで生計を立てておられる若い方がなんと多いことか、ずしりと実感いたしました。
もう一つは、50代半ばの方のご応募が少なくなかったこと。就業規則で定められた定年より前に、「もうそろそろ」という雰囲気になるのか、させられるのか、どちらにしても第二の人生を探さなくてはならなくなるのでしょう。
採用側としては、全員の方にお目にかかることは物理的に不可能なので、経歴などの書類を見てふるい落とさなければなりません。これが大変なストレスです。確実に言えることは、お断りした方の中に採用すべき方がいたに違いないということです。書類じゃわからないのに書類で判断しなくてはならないという矛盾がストレスの原因です。
何名かの方とは面接をさせていただいたのですが、結局ポータルサイトからは一人も採用せず、別のルートでベテランを1名採用しました。
この人材募集でちょっと残念な出来事がありました。ある応募者と面接をして、もう一度お会いしたいと日時の調整をしました。ところが当日、いくら待っても姿を現しません。携帯電話も留守電になっています。30分待ってあきらめました。こういうことは社会経験の少ない新卒の採用ではままあることのようです。しかし、一流企業で長い広報経験を持つ人においてまさか…。同じ広報に携わる人間としてまことに残念なことでした。〈kimi〉