セミナーやパネルディスカッションなどに現役の企業の方が招かれることがあります。実際の経験に即したお話は他の企業にとって大いに参考になります。
そこで期待して聞き始めると、「では初めに当社の宣伝をさせていただきます」という前口上のもとに、自社の沿革、売上高、利益高、従業員数、拠点の所在地、主要製品などのパワーポイントが何ページも続くことがあります。ときには企業CMなどを流す方もおられます。はっきり申し上げますが、やめていただきたい。ときには受講料を払って参加していることもあります。貴重な仕事の時間を割いて参加しています。そこで聞きたくもない「宣伝」を聞かされるいわれはありません。
もちろん従業員の福利厚生がテーマなら従業員数のご紹介は必要です。ROE経営がテーマなら売上と利益の推移を示していただかなくては理解ができません。しかし、話のテーマと関係のない「宣伝」は無用です。
会社を代表して話すのだから会社の宣伝をしないと叱られると思うのか、せっかくの機会だから会社の認知率向上に寄与しようという健気な気持をお持ちなのか・・・。それも理解できないわけではありませんが、間違っております。自分が何のために登壇しているのか、主催者から何を期待されているのか、オーディエンスは何を知りたいのか・・・そのようなことをしっかり認識していないようでは企業人としてまだまだ甘い、と申し上げておきましょう。