医学とは矛盾と誤りの集約である

糖質制限食は本当に生存期間を延長するのか、「がんもどき」は本当に存在するのか、どちらもよくわかりませんが、アスピリンが発売された19世紀末頃のフランスの小説家マルセル・プルーストの代表作「失われた時を求めて」に次のような一文があります。
「畢竟、医学とは、医者たちがつぎつぎと犯す矛盾と誤りの集約であるから、どんな名医を呼んでも、たいてい数年後には間違いとわかる診断を真実として求めることになる。それゆえ医学を信じるのは愚の骨頂ということになるが、それを信じないのもそれに劣らぬ大愚というべきで、というのもそんな誤りの集積から最終的には真実もいくつか出て来たからである」(吉川一義訳、岩波文庫 第6巻)