ここ数年と比べ今年は暑さがいくらかマシであるように思います。最近の猛暑の方が異常であって、今年が平年並みなのかもしれません。それでも暑いことは暑いので、すっかり定着した感のある“クールビズ”でノーネクタイで過ごせるのはとてもありがたいことです。そもそも湿度の高い日本の夏にネクタイを締めることの方がおかしいんです。
さて、こんな季節に行われる広報イベントでネクタイを締めるかどうか。これはまた別の問題です。製薬会社や医療機器会社のようなドクターを相手にビジネスをする業界では、会社の中ではノーネクタイ、チノパンで仕事をしていても、そのような場ではクールビズも何のその、ネクタイをきっちり締めるのが“業界の常識”になっています。これは出席するドクターに対して失礼にならないようにという過度の配慮が働くためでしょう。
あるとき、講師としてお招きした医学界のVIPドクターがノーネクターで現れ、「あれ、しまった。どなたか余分なネクタイを持っていませんか」と逆に恐縮されたことがありました。それを聞いた主催者側はすぐに近くの洋品店に向かって駆け出したのでありました。主催者側のスタッフの方がネクタイをはずすという選択肢は誰も思いつかなかったようです。