12月3日は秩父夜祭り。一度見たいとは思っているのですが、交通機関から続く大混雑を怖れて、今年も行きませんでした。
秩父夜祭りのニュースに接するたびに思い出すエピソードがあります。
会社の先輩Tさんは、その年の夜祭りを何ヶ月も前から楽しみにしていて、終業と同時に秩父へ駆けつける予定を立てていました。その日は朝からウキウキしている様子。そのために買った新しいカメラを入れたバッグを会社に持って来ています。同僚はみなそれを知っていて、Tさんの仕事が終業時間までに終えられるように配慮していました。ところが、終業間際に上司から仕事を命じられてしまいました。必ずしもその日のうちに終わらせる必要はなさそうでしたが、実直にして気の弱いTさんは、その仕事は明日にしますとはどうしても言い出せませんでした。私を含めて同僚もみな、独裁的で感情的な上司(当時はまだパワハラという用語はありませんでした)に向かってTさんをサポートする勇気はありません。かくしてTさんは秩父夜祭りへ行くという何ヶ月も温めてきた計画を断念したのでありました。
それから何年か経ってからTさんに尋ねたところ、その後も夜祭りには行っていないという答えが返ってきました。写真を趣味にしているという話も聞きません。