マネジメントは人間関係をつくれるか?

昨日の千秋楽、稀勢の里の逆転優勝の相撲には久しぶりに感動してしまい、涙が出てしまいました。日本国中の心が一つになった、などと言ったら、もっと別のことで一つになってほしいと保守派の人たちは思うのでしょうか。相撲でよかった。
それはさておき、優勝が決まった瞬間に、弟弟子の高安も号泣したとか。いい話ですね。この部屋の力士たちの人間関係はとてもうまく行っているのだろうと想像できます。何年も同じ部屋で稽古を続ける中で形成された仲間意識が、こういう場面で発露したのでしょう。
終身雇用の時代の日本企業がこうだったなあ、と思います。終身雇用を賛美するつもりはありませんが、何年か一緒に働くことで仲間意識や信頼関係が醸成され、組織の求心力が高まるという面は否定できません。そこへ行くと、新興企業や外資系企業のような労働流動性の激しい組織では、社員同士が互いに信頼しきれていない状況が出現します。企業としての成功より、自分自身の評価が優先します。もし田子の浦部屋がそうなら、横綱が優勝しても、高安が号泣することはなかったでしょう。
経営学のさまざまなテクニックを駆使しても、本当に強い仲間意識をつくりあげるのは容易ではありません。マジメントの技術がどこまで人間くさい情の領域に介入できるのか、少々懐疑的であります。

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