意思決定の遅さ

日本企業の意志決定の遅さがしばしば批判されます。その要因はさまざまあろうかと思います。
私どもが経験するのは、提出した企画書なり見積なりに、いつまでたってもご返事がいただけないという極めて卑近な事例です。
ある企業さんでは、トップが漠然とした、あるいは抽象的な指示を出します。それを部下の担当者様が忖度して仕事を進めるというパターンです。担当者様からご相談を受けて、私どもではあれこれイマジネーションを巡らせて企画書を提出します。ところが、それをお忙しいトップに説明する機会がなかなか得られないようなのです。ここで何日も、ときには何ヶ月も経過します。
ようやくトップに企画書をお見せすると、なんとなく気に入らない風情を示されます。そこで、また私どものところに戻って来て、仕切り直しとなります。こんなことを何回も繰り返すことがあります。そのような案件で、成功した経験はありません。
要するに社内の意思疎通が悪いのです。それ以上に問題なのは、明確な意志や指示を出さないトップです。トップ自身も何かやらなければ、という思いだけで、何をやったらよいのかわからない、あるいは決断がつかないのでしょう。

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