これは売れました

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低迷する古書相場の中にあっても、値のつきそうなものが押入の奥にあることを思い出しました。古い自動車雑誌です。中学生の頃から小遣いの大半を費やして購入していたもの。創刊号から5年分は完璧に揃っています。
先日、神保町に行ったついでに、自動車雑誌を専門に扱う古書店に寄ってみました。
薄暗い照明の下で禿頭の主人が暇そうにしていたので、こういう古雑誌があるんですが買い取っていただけますかと尋ねたら、答えは、
「現物を見ないとわからない」
という素っ気ないものでした。
「創刊号などは、どのくらいで売れますか?」
「そういうことには答えていません」
あくまでも無愛想です。こんな店には売ってやるものかと、早々に退散しました。
そこでネット検索です。別の専門業者さんに電話したら、都下の自宅まで受け取りに行きますという返事でした。商売はこれでなくてはいけません。
ダンボール箱2つ。先に売った古書の40倍の値で引き取ってもらえました。
これで中学生の思い出が一つ家の中から消えました。とくに感傷はありません。これからどんどん押入と本棚のスペースが拡がりそうです。