癒されません!

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「癒される」ってのがよくわかりません。
景色のよいところからテレビ中継などすると、レポーターはしばしば「癒されます」などと発言していますが、どんな状態を表現しているのでしょうね。美しい風景に癒されたレポーターさんには、その前と後でどんな変化が生じたのでしょうか。そこのところがよくわからない。「癒す」というのは本来、病気やケガを「治す」という意味ですから。
そもそも何を癒されるのでしょう。悩み? 気の迷い? ストレス? 不安感? 抑うつ状態?・・・。
雄大な自然を見たら誰でもよい気分になります。清々とした気分になって、思い悩んでいたことを一時忘れることはあり得る話です。でも、山から下りたらもとに戻ってしまうのではないですか。癒されたのはほんの一瞬ということになりそうです。
たしかに便利な使い方ではあります。山でも川でもかわいい動物のこどもでも、「癒されるう!」ですんでしまいますから。
「癒される」がこんな風に使われ出したのは、20世紀末から21世紀初めころのことだとネットにありました。だから古い人間には「癒される」は身体にしみ込んでいません。いい悪いはともかくとして、癒される実感がわかないというのが正直なところです。