昨年の4月から仰せつかっていた分譲住宅管理組合の理事職も今月一杯で任期満了となります。ほっとする前に「総会」というものがあります。理事長=管理者ではないただの並び大名ながら、何もしないでいるわけにも行きません。
管理組合の総会は株式会社の株主総会にあたるもの。執行部たる理事会としては、議案は粛々と可決されなければなりません。ところが株主総会同様、いやそれ以上に何やかやとご意見やらクレームやら自己アピールやらが表明されて紛糾することが少なくありません。にも関わらず今回の議案は13もあるのです。とても1~2時間では終わりそうもありません。
それなら13議案を一括して採決してしまったらどうか、などという意見も出て来ました。
ちょっと待って。それはまずいでしょう、と申し上げて、突然思い出したのがロバートのルールです。オフィスの本棚に英語版があったなあ、と。
ご存じのように米国連邦議会の規則をもとにロバートさんという軍人さんがまとめたもの。民主主義の基本ルールと言われ、どこの会議でも概ねこれに基づいたルールで運営されているはずですが、その存在を知っている人は少ないという不思議なルールです。
それによれば、議案は一つひとつ採決されなければなりません。一括採決なんて乱暴なことをしてはいけません。
ちなみにロバートのルールの日本語訳は絶版で、ネットで調べたら8万円とか10万円の値がついていました。必要とする人は確実にいるということでしょう。民主主義の危機が叫ばれているいま、新訳が出版されるとよいと思うのですが、売れないのかなあ。それこそ民主主義の危機の象徴ですね。