まだ読んでません

年末にこのブログで、朝日と日経の書評欄から「読んでいない本」を10冊ばかり選びました。
正月休みを過ごしたいま、まだ一冊も読んでおりません。それどころか買ってもおりません。まったく私は読書家ではありません。
言い訳をすると、近所の本屋に立ち寄った折り、橋本治の小説「巡礼」を探したのです。しかし、売っていませんでした。近頃の書店の現状はまったく嘆かわしい・・・と、本屋の悪口を言っても仕方がありません。
速読法というものがあります。1週間に10冊読める、100冊読めるというものです。これには私は一定の評価をしております。つまらない本は1ページ10秒ほどで読み飛ばしているんです。当初はそんなことして大丈夫かと不安があったのですが、速読ノウハウ本を立ち読みしつつ速読したところ、「それでよいのだ」と自信を持つに至りました。電車の中に広告を出しているようなビジネス書は、それで十分です。
しかし、やはり私は多読家ではありません。読みたくもない本を半ば強制的に、あるいは義理で読まされる場合しか「速読法」は使いません。
知り合いの大会社幹部に、毎年ナン百冊かを読むと自慢している男がいます。優秀なビジネスマンであることは間違いありません。雑学に通じてもいるのですが、人格については、とくにほめるほどのことはありません。読んだ本の数を出世の道具に使っているフシもあります。本の数とTOEICの点数は別物だと思うのですが。
かと言って、本を読まない大人物というのも、例外はありそうですが、身近には見あたりません。読書量と人間の価値との相関係数はたぶんそれほど高くないだろうと、読んでいない本のリストを眺めつつ想像しております。〈kimi〉

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