大津市の中学校で生徒が自殺した事件。亡くなった生徒の気持ちを思いやると、いたたまれないような気持にさせられます。真相はまだ十分明らかになっていませんが、教育委員会に対するメディアの批判は日を追うごとに高まっています。
教育委員会の会見は下手の見本のようなものですが、上手いか下手かといった次元以前に、この組織がどのような理念のもとに、どのように運営されているのか、つまりガバナンスがどうなっているのか、首をかしげざるを得ません。
毎日のようにメディア側から記者会見を要求されて、教育委員会の人たちも当惑していることは想像できます。それが場当たり的な対応になって現れているように見えます。うそとは言いませんが、言い訳に言い訳を重ねると必ずボロが出る。そのボロを隠すためにまた言い訳をせざるを得ない羽目になって悪循環に陥ります。これは広報の専門家でなくてもわかることです。危機に直面したとき、あってはならないことながら、言い訳をせざるを得ないケースも、現実にはあり得ます。そのようなときにも、基本となるスタンスをしっかり固めておけば、「言い訳」を「主張」に変えることも不可能ではありません。そこはまさに広報の専門家の出番です。〈kimi〉