早くて早いか、遅くて遅いか

robai11.jpg
たまには内輪話をしちゃいましょう。
わがココノッツは、広報畑の人間とジャーナリストがコラボレートしているのが一つの売りであります。結論から言えば、これは実に面白い。外から見えているジャーナリズムの姿とその内側とはずいぶん違うものだなあ、と広報畑の私などは、日々元朝日新聞編集委員たる田辺の話を聞くのが楽しくてしかたがありません。
と同時に、一般の企業で働いていた私などと、新聞社という特殊な企業で記者として働いていた田辺とは、労働観と言えば大袈裟ですが、働き方がずいぶん違う。
広報をやっている人なら常識ではありますが、朝刊の締めきりは深夜です。記者は出稿した原稿が活字になるのを確認してから帰宅します。毎日帰りが遅くて大変だなあ、などと同情する必要はありません。その分、朝が遅いのです。
10数年前のことですが、部下の女性にある新聞記者を紹介したことがあります。二人とも少々個性的で、婚期を逸しそうな按配でしたが、なんとなく相性がよさそうに感じられたのです。何回かデートを重ね、これはうまく行きそうだと思っていた矢先に突然破談となりました。理由は、女性の方の両親が「新聞記者は時間が不規則だ」という理由で反対したからでした。
そういうことで、わがココノッツも広報畑の人間は早めの出社で帰宅が比較的早く、ジャーナリスト畑は出社が遅く帰宅も遅い、ということになっております。これは生活習慣となって身についてしまったことなので、お互いもう変えようがなさそうです。だからと言って、当分破談にはなりそうもありませんが。
寒いですね。写真はロウバイです。狼狽ではなくて蝋梅です。〈kimi〉

医療機器市民フォーラム

昨日17日、「第4回医療機器市民フォーラム」が東京・有楽町の讀賣ホールで開かれました。昨年の第3回までの責任者をしていた関係で、主催者からご招待をいただいたので行ってきました。
これまでの3回は同じ有楽町の朝日ホールでしたが、それより大きい讀賣ホールを埋め尽くす来場者で、それだけでもこの種のイベントとしては大成功だったと言えるでしょう。また、講演やパネルディスカッションの内容も充実していました。関係者のみなさんのご努力に敬意を表したいと思います。
「医療機器」と言っても一般の人にはちっともピンと来ない、というのが医療機器業界の中でいつも出てくるグチの一つです。先日もある会議で、行政の方が「手術で麻酔がかかっているうちにいろいろな医療機器が使われるが、麻酔から覚めるともう目の前にはないから、一般の人が医療機器を知る機会が少ない」という趣旨のお話をされていました。ちょっと待ってよ、それって私が一昨年に業界団体の機関誌に書いたことじゃん、とも思ったのですが、自分の書いたことが知らず知らずに行政に影響を及ぼしているんだ、と信じて素直に喜びぶことにしました。その通り、多くの医療機器は病院の患者さんの目につかないところで使われていて、一般の人には馴染みが薄いのです。
「医療機器」という言葉は、2006年に成立した改正薬事法で初めて法的に認知された用語で、まだ新しく、それだけに生硬な感じもします。それ以前は医療用具とか医療材料とか医療器具とか医用機器とか、いろいろな呼び名で呼ばれていたわけですね。
それに比べて、「薬」というのはごく一般的な名詞だし、「医薬品」も昔から馴染みのある言葉。とても「医療機器」が太刀打ちできるものではありません。
また、医療用の医薬品は17,500であるのに対し、医療機器は300,0000あると言われています。数が多くて、ピンセットからMRIまで種類もいろいろ。とても一括りにはしにくい。こんなところが医療機器業界のあせりのようなものにつながってくるのでしょう。
なんとかして医療機器の社会的認知を向上させたい、そんな業界の思いから始まった「医療機器市民フォーラム」。たしかに費用もそれなりにかかるのではありますが、業界内でのマスターベーションに終わらせることなく、さらに大きく発展して行ってほしいと祈りながら会場を後にしたのでありました。〈kimi〉

さらさら読みたい

このところ、広告の世界で名の知られたある方のご著書を読んでいました。長く広告関係の団体の要職にも就かれていた先達で、私にとっても広告のイロハを教えていただいた恩人の一人でもあります。それだけに、いまの広告界への警鐘とも言える提言の多くが「そうだそうだ」と共感できるものでありました。
そのように実にすばらしい内容ではあるのですが、読む通すのには少々手こずってしまいました。
著者はコピーライターのご出身。もとより文章は下手ではありません。ハッとさせられる言葉遣いの数々にご経歴の片鱗が見られ、感心することしきりでありました。しかし、読み進むうちに、そのきらめく言葉遣いに少しずつ疲労感を覚えてしまったのでした。その卓抜な言い回しにいちいち思考が引っかかってしまって、すんなり読めないのです。
コピーライターはキャッチフレーズが勝負。アトラクティブな言葉の選択に頭を絞ります。それを受けてボディコピーでは、伝えるべき要素を短く的確に完結させなければなりません。それがコピーの作法です。しかし、そのように書かれた文章を一冊の書籍として連続で読むとなると、これがつらい。次から次に小さな山がやってきて、それを登り下りしているうちに体力を消耗してしまうと言えばわかっていただけるでしょうか。
ステーキに天ぷら、すきやきに鮟鱇鍋、さらには”比内鶏むね肉のソテーのピューレと森のきのこ 粒マスタードソース”、その次には”仔羊のロースト フヌイユフォンダン添え”、またその次には”平目のロースト 魚介とアーティーチョーク ソースピストゥ”などなど。このようなコッテリとした豪華料理を毎日食べ続ければ、さすがに食傷するというもの。やはり、真鰺の開きに豆腐の味噌汁、納豆にご飯の朝食で、昼はせいぜいおごって鴨南蛮、夜はぶりの照り焼きに風呂吹き大根、少々のサラダになめこ汁、お茶漬けさらさらなんて食事の方が長続きはするというもの。同様に、さらさらと最後まで読み通せる一冊には、コピーライティングとは異なる書籍の文章の作法が存在するようです。
短編小説と長編小説の技法はまったく異なるのだそうです。短距離ランナーとマラソンランナーの違いのようなものかもしれません。文章のうまい下手とはまた別の問題なのでしょうね、きっと。〈kimi〉

企業の側からIRを

先月の終わりから今月の初めにかけての3週間にレクチャーが6回。テーマはパブリックリレーションズ、IR、社内広報といろいろで、さらに「BtoB企業のブランディングにおける広報」という一ひねりしたお題も頂戴したので、頭の中がタコ足配線のようになってしまいました。
「広報概論」とか「広報マネジメント」といったテーマでは、過去に何回もレクチャーしていますから、前回と同じパワーポイントを使って無難にまとめることもできないではありませんが、それではどうも気合いが入りません。受講者のみなさまにも失礼でしょう。かと言って同じテーマで全く異なった内容というわけにも行きません。このあたりがなんとも悩ましい。そこで一つでも二つでも、新しい試みやコンテンンツを組み込もうと頭を絞ることになります。
一山越えて、この週末は少しのんびりしましたが、来年の2月には、まる1日をいただいて、IRの初歩の初歩からお話をしようというセミナーが控えています。
これまでいろいろと開催されてきたIRのセミナーには一つの特徴があります。それは市場の側の人たちが講師として、事業会社(発行体)側のIR担当者を教えるというパターンが多いということです。
企業の人間は金融マーケットを知りません。だから市場の側の人の話を聞いて勉強する。それは間違っているわけではありません。しかし、アナリストや投資銀行(今回の経済危機でその存在が危ぶまれていますが)のスペシャリストやファンドマネージャーや公認会計士や証券ジャーナリストといった市場側の人たちは、企業の内部でどのようにIRが「つくられているか」を知りません。彼らが日常使い慣れている金融・証券用語は、一般企業では一部の社員を除いてほとんど使われることがありません。初めてIRを担当する方が、そのような特殊な世界に身を置く講師の話を聞いても十分に理解できるはずがありません。
そんなことで私に講師の白羽の矢が立ったようです。企業のIR担当者が事例や体験を発表することはありましたが、企業の側に立ってIRの基本から教えるというのは、あまり例のないことでしょう。挑戦し甲斐があるとも言えます。
というわけで、せっかくのんびりしたのもつかの間、これからしばらく頭の中をIR一本にして、もう一度自分自身の中にIRを基礎から積み上げ直すつもりです。

青空

aozora.jpg
このところ時間を見つけて、あらためて広報の勉強をしています。数日前からは広報の教科書のような分厚い書物にとりかかっていますが、その前は社会学の入門書を読んでいました。
私は実務家ですから、基本的には実践派なんですが、ときどきお勉強をすると、考えが深まったりヒントが見つかったり。頭の中の雲が一瞬晴れて、青空が見えたような気分になります。でも、このところのお天気のように長続きは期待できません。勉強を続けて雲を払い続けなくては、と思ってはおりますが・・・。

電車はなぜ遅れるのか

朝食を食べながらテレビを見ていたら、「京王線が開通した」というテロップが流れました。ということは、それまでは不通であったということ。大幅な遅れを覚悟しなければなりません。インターネットで確認したら、「人身事故の影響で15分以上の遅延」ということがわかりました。
最寄り駅は、幸いにも京王線と小田急線が使えます。駅で迷いました。遅れていてもいつもと同様に京王線を使うべきか、振替輸送のキップをもらって小田急に回るべきか。暫し考えた末に小田急に決めました。京王線の電車にたまたま乗れたとしても、途中の本線との合流で動かなくなってしまうリスクが高いと判断したのです。そういう経験を何度かしています。
小田急線の新百合ヶ丘駅に着くと「快速特急」と接続しました。これは下北沢まで停まることなく一気に行きます。シメシメ。思わず自らの判断力の正しさにうっとりとしてしまいました。
さて、乗り込んだ快速特急。3つ先の生田駅までは一気に走りました。そこから急にスピードが落ちてノロノロ運転に。やがて車内アナウンスがありました。「この電車は新百合ヶ丘駅を3分遅れで発車いたしましたが、新宿駅付近で雨と混雑の影響で電車が詰まっております。新宿駅到着が15分ほど遅れておりますので、この電車も大幅に遅れることが見込まれます」
かくして代々木上原駅に20分遅れで到着。自らの判断力を呪うことになってしまいました。
小田急線は、せっかく代々木上原で東京メトロ千代田線と乗り入れているんですから、もう少しそちらに電車を回せばよさそうなものなんですが、それを嫌がって(いるかどうかは確認しておりませんが)、ほとんどの電車を新宿駅行きにするから日常的に詰まってしまうんだろうと推測しております。ある朝、「今日は幸いダイヤ通りに運行しております」という車内アナウンスがあったと利用者から聞きました。
小田急線に限らずどうして朝の電車は雨が降ると遅れるのでしょう。その原因を分析したという話を聞いたことがありません。風が吹いて桶屋が儲かるようなものでしょうか。混雑するから遅れるという説明も釈然としません。毎朝混雑するのがわかっているのなら、その混雑を織り込んだダイヤが作れそうなものです。作れないなら作れない理由を開示すべきです。要するに鉄道各社はこの点について説明責任を十分果たしていないことになります。
沿線情報や自社クレジットカードの勧誘にはあれほど熱心なのに、なぜなのでしょう。きっと開示できないわけがあるに違いない、と勘ぐられる前にぜひ十分な説明をしていただきたいものです。
ちなみに「ただいま実施しております複々線工事が完成した暁には・・・」といった逃げは許しませんよ。「首都圏への人工の集中が・・・」という言い訳も許しません。地下鉄との乗り入れやダイヤの改正のたびに「混雑の緩和」、「遅れの解消」と言ってきたではないですか。それでも一向に改善されない。どこかが間違っているんじゃないですか、電車屋さん。