小学校から英語を学ばせるようになるのだそうですが、日本語の方はどうなっているんでしょうね。
つくづく思うのですが、いまの日本人の国語力というか作文力は恐ろしいほどお粗末ですよ。企業に勤めていたとき、主任や課長に昇進する試験の作文を審査していましたが、何十人もの作文(一応論文と呼んでいました)を読んでいるうちにだんだんと気持が滅入ってきました。何が言いたいのかわからないのがほとんど。あちこちでいろんな人が言っている陳腐な議論を引き写していて、最後まで読まなくても結論がわかってしまうのも少なくありませんでした。それに加えて誤字脱字の多いこと。英語よりまず日本語だと、これもいろんな人が言っている陳腐な結論なのですが、つくづく同意いたします。
自治体ブース
午後からHOSPEX(病院・福祉設備機器展)の見学に行ってきました。似たような展示会がいろいろありますが、微妙にテーマやターゲットがずれていて、それがそれぞれの存在意義になっているようです。しかし、出展する企業の側とすれば、どこに出展しようかと悩ましいのではないでしょうか。
医療系の展示会で最近目につくのは、自治体のブースです。地域の中小企業を後押しして産業振興を図ろうという目的ですが、これはとてもよいことですね。地方の中小企業単独では出展しにくくても、県が大きなブースを確保してくれるならハードルはかなり下がります。もう少し見栄えのするブースを自治体がつくってくれればアピール度はさらに増すのでしょうけれど、それはこれからの話ということでしょう。
ハズしたあ
毎月のようにセミナーの講師を依頼されます。ほぼすべてが広報活動がテーマですが、オーディエンスは必ずしも広報を仕事にしている方ばかりではありません。会社の経営者や幹部の方、クレーム処理を担当している方、学生などさまざまです。その日のオーディエンスがどのようなことに興味を持っておられるのか、どのような問題意識を持っておられるのかなど、あれこれ推測し思案した上で内容を決めてはいるのですが、ときどきハズしてしまいます。不思議なもので、話しながらなんとなく気がつきます。芸人さんがウケているかどうかを舞台の上から敏感に察知するのと同じことです。
飽きているなあとかハズしたなあとか思ったときは、がっかりするよりも傷つきます。もちろん自分の失敗ですから言い訳はできませんが。
反省会議
上司は部下を集めて「反省会議」をたびたび開催しました。会議の進め方は以下のようなものです。
部員全員に発言の機会が与えられます。部員は他の部員一人ひとりについて批判をしなければなりません。欠点、弱点、失敗、気に入らないところなどを指摘するのです。親切な先輩、親しい同僚に対しても容赦は許されません。ごまかそうとすると叱られます。上司も批判対象ということになっていますが、批判する人など誰もいません。これについては叱られません。
毎日一緒に働いている仲間のアラをあげつらう。指摘された方も、あの人はこんなふうに私を見ていたのかと思います。こんな残酷な会議があるでしょうか。
これは実話です。私はその部員の一人でした。30年も前の話ですが、このようなパワハラの方法もあります。ご参考まで。いや、絶対に参考にはしないでください。
そういう人
男性用かつらが売れなくなってきたのだそうです。この20年ほどの間に、禿頭(とくとう)に対する価値観に変化が生じたのが不振の要因とのこと。つまり、ハゲだっていいじゃないか、という風潮になってきたらしい。
ある日、友人と下町の居酒屋で待ち合わせることになりました。少し遅れて着いたら、友人の姿が見あたりません。とりあえず空席に落ち着いて店内を見回したら、友人に似た体型の後ろ姿を見つけました。これ以上描写する必要はありませんね。
その日初めて男性用かつらをつけて現れた友人を前に、言葉を失いました。「そういう人」だとは思いもよらなかったからです。それから十数年、おつき合いは続いていますが、いまも彼のいアタマにはヅラが乗り続けております。
土人
ミルク温めますか?
液体ミルクが解禁に向かって動き出したようです。遅いねえ、と誰もが思ったでしょう。食品衛生法に「粉ミルク」、「粉末」としか記載されていなかったから、という言い訳はいかにも官僚的。行政の怠慢でしょう。
液体ミルクが解禁になると男性の育児参加も後押しできると報じられています。たしかに、ミルクをつくるのはお父さんにとっては手間ですが、それよりもコンビニで液体ミルクが売られることの方がインパクトがありそうです。赤ちゃんを抱いたお母さんは哺乳瓶やらオムツやらが入った大きなバッグ持って外出しています。それが、いつでもどこでもコンビニでミルクが買えるとなったら朗報でしょう。お弁当と同じように、レジで「温めますか?」と聞かれるんでしょうね、きっと。
D さん
労働基準法違反の疑いで労働局が電通に立入調査に入ったそうです。このニュースに対する新聞各社とテレビ各局の扱いにはかなり違いがありました。深読みすると大いに楽しめます。
電通ばかりでなく大手広告代理店の営業さんは昔から夜遅くまで働いていました。大手代理店が夜まで働いているので、その下請けであるプロダクションも遅くまで帰れない。クライアントの方までそれにつき合わされることになります。これには朝刊の締め切り時間も影響しているのでしょう。緊急事態ともなれば、早版を確認する必要が生じることもあります。
なにはともあれ電通の力は圧倒的で、下請け企業ばかりでなく広告主やその団体まで、電通に関する話をするときは、「Dさん」などと声を潜めて隠語で呼ぶのは、どう考えてもおかしなことです。
定期忘れた!
明るい気分になりました
国際福祉機器展へ行ってきました。医療関係の展示会は毎年あれやこれや見学していますが、福祉機器は初めてです。いや、驚きました。会場の広さ、出展社数、ブースの規模、入場者の多さ。どれも医療系の展示会を凌駕しています。この市場がそれだけ拡大しているのでしょうし、また将来の発展も見込めるということなのでしょう。
自動車メーカーは揃って福祉車両を展示していました。足だけ、あるいは手だけで運転する仕組みなど、実によく考えられています。それが200万円少々で買えるのですから驚きます。
車椅子もカッコよくなりました。持っていたらちょっと自慢したくなるようなデザインや機能を持つ製品が内外のメーカーから出展されていました。トイレの工夫や入浴設備などもずいぶん進化しています。
このような工夫や進歩によって、誰もが暮らしやすい世の中に少しずつなって行くのだろうなあ、と見て回るうちに明るい気分になってきました。そこが医療系の展示会と少し違うところかもしれません。