急がば回れ

JR中央線の駅の近くに、カウンターだけの小さな中華ソバ屋があります。近頃流行の豚骨魚介系などとはかけ離れた澄んだスープで、フアンも多いようです。しかし、どうも気に入りません。会計を仕切るオバサンが統制派だからです。座る席はオバサンが指定します。雨の日に行くと長い傘なら店の前の傘立てへ、折りたたみなら畳んでイスの下へと指示されます。「ラーメンお願いします」と言う客には「中華そばですね」と言い替えます。この店ではラーメンは中華ソバなのです。
麹町のおでん屋には二度と行きません。この店でも席は指定されます。それも相席で詰め込まれます。それだけならがまんできないわけではありませんが、飲んでいる間に2回も席替えを命じられました。効率よく空席を埋めるためです。
中華ソバ屋の方は単にオバサンが「仕切屋」性格の持ち主であるだけのことでしょう。しかし、おでん屋は許せません。顧客、それも飲む客のことをまったく考えず、効率優先、利益優先で商売しようとしているからです。規模の大小を問わずどこの企業にもありがちなことです。急がば回れ、あわてる乞食はもらいが少ない・・・昔からいろいろに言われてはおりますが。

エビデンスのない治療法のお手伝いはいたしません

今日の毎日新聞に生活報道部の小島正美さんが、「『水素水』論争に向けて」という記事を書いています。中見出しには「『エセ科学』とは言えない」とも。水素水擁護の記事かと思いましたが、そうではなく冷静に現状を追ったよい記事でした。水素が生体に影響を及ぼすことは明らかになりつつあるが、水素水が身体によいというエビデンスはない、ということらしい。
病気の治療には、エビデンスのある標準治療が第一選択になるのは当然であって、自分が治療を受けるときもインフォームドコンセントを受けた上で標準治療を選択しました。ところが、まれにはエビデンスはまだないが確かに効果がある、という治療法が存在することも否定できません。否定はしませんが、エビデンスが確立していない治療法だけをどれもこれも信じると、逆に奏効率は低下するはずです。これは統計の常識であり、だからこそエビデンスがないということにもなります。
そういうわけで、弊社ではエビデンスが確立していない治療法の広報活動はお手伝いいたしません。

未来を考える

麻生副総理兼財務大臣が、「90歳になって老後が心配とか、わけの分かんないこと言っている人がこないだテレビに出てた。いつまで生きてるつもりだよ、と思いながら見てました」と発言したとか。この人特有の口の軽さはそれとして、引用された方のコメントに感銘を受けてしまいました。90歳はまさに老後であるのもかかわらず、その方はさらに未来(老後)について語っている。人間って、そういうものなんだなあ、と思ったのです。未来を考えなくなったら、オシマイですよね。よく分かる話だと思います。

イチロー選手の表現

イチロー選手が日米通算4257安打を放ち、ピート・ローズの記録を超えたことは文句の付けようがない偉業です。これまでの弛まぬ精進にも敬意を表したいと思います。
が、今回に限らず彼の記者会見での表現にはいつも違和感を感じます。飛んできたボールに正対して捕球することなく、わざと背面で取ったりポーズをつけて取ったりするような、ちょっとひねった言い方を彼は好むようです。それが性格なのでしょうか。 「僕は子どもの頃から人に笑われてきた」という言葉の裏にある劣等感がさせることなのでしょうか。
現役大リーガーであるいまは問題になりません。実績がすべてを圧倒します。しかし、それが「過去の栄光」になったとき、彼流の表現は必ずしも好意的には受け取られなくなると危惧します。
イチロー選手の記者会見の前に、舛添都知事の一連の記者会見を見た影響でしょうか。そんなことを考えました。

必死のパッチ

ほかのことを調べるためにインターネットの中を浮遊していたら、「必死のパッチ」の意味について書いてあるサイトを偶然見つけてしまいました。
阪神タイガースがたまに勝って、ヒーローインタビューで「必死のパッチでがんばりましたので、これからも応援よろしくお願いしま~す!」などと選手が言っているのを2回ほど見たことがあります。関東の人にとっては少々収まりの悪い表現ですが、関西エリアにおける「一所(生)懸命」の最上級語なのだそうです。ホントかな? なんとなく阪神タイガースの社内用語のような気もしますが・・・。

ハイ!・・・ハイ!・・・

今朝のことです。JRの某駅の構内を歩いていましたら、後から「ハイ!・・・ハイ!・・・ハイ!」という大きな声が追ってきます。歯切れのよい「ハイ!」ではありますが、なんとなく耳障り。振り返るとスーツの男性がガラ携を耳に当てています。
さらに歩いて行くと、どこまでも「ハイ!・・・ハイ!・・・ハイ!」が追いかけて来て、追い抜かれました。その瞬間、男性は言いました。「ハイ! 承知しました、先生!」。
かなりの確率でこの男性は製薬会社や医療機器会社など医療関係の企業の社員であり、顧客のドクターと話しているのだと推測できます。こういう構図、いつまでたっても変りませんねえ。

脳科学者という人たち

近頃テレビで脳科学者という肩書きで登場する人物をよく見ますが、これがよくわからない。発言を聞いていると、心理学者のようなコメントをしています。多くは医師ではないようです。脳生理学者ならそう名乗るでしょうから、そうではないらしい。所属している組織をみると、小動物の実験設備くらいはあるかもしれませんが、ガイドラインに則った大規模な動物実験棟などはありそうもない。ではどのような研究をどのようにやっているのでしょう。どうもよく理解できないのですが・・・。

羆嵐

秋田県の十和田湖の近くでクマに襲われて亡くなったと思われる人が次々に4人も見つかっています。同じクマが襲ったのでしょうか。さすがに現代の新聞はそんな表現はしませんが、一昔なら「人食い熊」と書き立てたところでしょう。現地の人たちは恐怖のおののいているのか、冷静、平静でおられるのか、そのあたりが東京で新聞記事を読んでいるだけでは伝わってきません。
そんなことが気になるのは吉村昭さんの「羆嵐(くまあらし)」という小説を何年か前に読んだからです。大正4年北海道天塩の開拓村をヒグマが襲った事件を描いています。ヒグマを射止めようと集まった住民や警官や兵士らが恐怖にとらわれるありさまを静かな筆致で描いた名作です。
ツキノワグマとヒグマの違いはあっても、また当時よりもクマの生態がよく知られていても、さらに猟銃の性能がよくなっていても、怖いことはやはり怖いのではないでしょうか。
そんなことを考えながら、秋田魁新報のサイトを見たら、遺体発見場所の近くで地元猟友会員がクマを駆除したという記事が載っていました。それが4人を襲ったクマだったら、いくらかは安心できるのですが・・・。

風が吹けば・・・

物事の本質は・・・といった「真っ当な」ご意見もあろうかとは存じますが、このところ面白いのは舛添都知事の一件です。
一番楽めるのはこじつけの言い逃れです。家族旅行を「事務所関係者ら」との会議、クレヨンしんちゃんは児童の保護者から子どもが悪い言葉遣いをまねると相談を受けたので、どのような表現がされているか確認するため、時代小説は江戸時代の風俗研究のため、中国服は書道をするときによくすべって書きやすいため・・・。
「風が吹かば桶屋が儲かる」ということわざのようなものがあります。江戸時代は道が舗装されていませんでしたから、風が吹くと土ぼこりが立って目の中へ入る。すると眼病が流行って視力障害者が増える。目が不自由になるとできる仕事が限られて三味線弾きが増える。当然三味線の需要が増えるから、三味線に張るネコの皮がたくさん必要になる。そこでネコが減るのでネズミが増える。増えたネズミは桶をかじるから桶屋が儲かる。たしかそんな話でした。
どんなものに政治資金を使っても屁理屈はつきそうですね。これからどんなこじつけが出てくるか楽しみになって来ました。

製薬会社はできません

一昨日の夜、製薬会社のOBが10名ほど集まって会食しました。研究開発者、CROにいた人、CRC、MR経験者、そのトレーニングをしている人、MSL経験者、薬剤師、経理、マーケティング、宣伝広告、広報など。酔いが回るほどに、ここにいるメンバーで製薬会社ができるなあ、という話になって盛り上がりました。なるほど製薬会社のファンクションのあらかたは揃っています。しかし、決定的に足りないものが3つ・・・資本金、起業意欲、そして若さ(^O^)。