須賀敦子のエッセイ

もう半月ほど前になりますが、知り合いの大学教授からのメールに、奥様から雑誌を買ってくるように頼まれたとありました。生協で購入すれば一割引なので大学に寄ったついでに、ということだったようです。その雑誌とは今月号の「芸術新潮」。そう言えば新聞の広告を見て、私も買おうと思っていたところでした。今月号は須賀敦子の特集です。私は須賀の読者ではありませんが、その文章への評価が高いことは知っていました。以前このブログに書いた辰濃和男の『文章のみがき方』にもすぐれた比喩の使い手として取り上げられています。
そうこうしているうちに、この弊社のサイトのお世話をしていただいているMさんもまた須賀の愛読者であることがわかりました。没後10年で、あらためて注目されているようです。
購入した「芸術新潮」。例によって写真がすばらしい。イタリアへ須賀の足跡を追った記者の文章も侮れないレベルです。そしてなによりも引用されている須賀敦子の断片の数々。
彼女が紡ぎ出すことばは音楽のようです。心地よいリズムはもちろん、旋律さえ感じさせます。思わず朗読したくなる、と言えば理解しやすいでしょうか。『声に出して読みたい日本語』など、この文章の前には全く無用のものです。
というわけで、さっそく河出文庫の『須賀敦子全集』を買って読み出したのでした。私もこの半月ですっかり愛読者になってしまいました。美しい文章は、こころを洗ってくれます。

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