涼しい顔で

CocoKnotsのオフィスの近くにあるうどん屋さん。讃岐風でなかなかおいしい。私の好みでもあります。しかし、あまり行きません。そのわけは店を仕切っている女性にあります。
繁盛店なので昼時は次から次にお客さんが入ってきます。一人客、二人連れ、グループといろいろ。それをカウンターと二階へ、空席を確認しながら適宜振り分けて行きます。注文を調理場に通します。お勘定もします。ときには調理場に入って自ら調理もします。とても忙しいのです。エライ。大したものです。それは大いに認めます。
しかし彼女、忙しすぎていつもフーフーハーハー言っています。より正確に言えば「フーフー」も「ハーハー」も言ってはいないのですが、そのような彼女の「気」が客の方に伝わってくるのです。それが私の居心地を悪くします。
友人に年季の入った落語好きがいます。彼は金髪の豚野郎こと春風亭小朝をあまり評価しません。噺のうまさは認めながらも、高座でいつも汗だくになっているのはよろしくない、と言います。噺に熱が入るのは結構だが、それを客に覚られるようでは芸が未熟だと言うのです。
一生懸命に取り組んでいる仕事に関しては、結果よりその懸命さを認めてもらおうという気持が無意識のうちに働いてしまうことがあります。これではプロフェショナルとは言えません。涼しい顔をして成果を出す。これこそ美学ですね。

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