雑魚客にも

京都には、住んだことはないものの学生時代から何かと縁が続いて、これまで100回近く訪れています。ということは、京都のホテルに100泊以上は泊まっていることになります。
宿泊料が安いとか、京都駅に近いとか、酔っ払ってもすぐに戻れる繁華街の真ん中であるとか、利用者を増やしたいからと頼まれた公的施設とか、その時々の目的やフトコロ具合等に合わせて宿泊先を選んで来ましたが、近頃あるホテルが気に入って、しばしばそこを利用するようになりました。
部屋は広く設備もよいのですが宿泊料は安くありません。繁華街からは少々離れています。地下鉄の駅から歩いて15分はかかります。悪条件がいろいろあるにもかかわらず、そこを使うのは理由があるからです。
タクシーをホテルにつけると、ベルキャプテンがドアを開けてくれます。シティホテルなら当たり前のサービスですが、大企業の経営者や政治家などへは極めて慇懃なのに、私のようなその他大勢の、いわば「雑魚」の客に対しては、形式的でおざなりな動作ですますホテルが多い中、ここはちょっと違うのです。雑魚客であっても、毎回かける言葉が異なるのです。天候や時間、客の年齢や性別、チェックインなのか外出からの帰りなのか、荷物が多いのか少ないのか、そのような状況を一瞬に判断して適切な一言をかけているようです。これはできそうでできないことです。
ロビーに入ると、ホテルマンたちの目配りが行き届いていて、それぞれ「お帰りなさい」とか「いらっしゃいませ」と挨拶をします。それがちっともマニュアルっぽくありません。トラブルが生じても、一生懸命解決に努力してくれるので腹が立ちません。日本語が上手くない外国人女性ポーターを含めて、このような客あしらいが徹底しています。
これはお客様を大切にすることが客を増やすという、スカイマークとは対極の姿勢です。
誠に素晴らしいのですが、清潔なベッドさえ用意されていれば十分、といった基準でホテルを選ばざるを得ないこちらのフトコロ状態が常態化しつつあるが、少々残念です。〈kimi〉

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