facebookの旗色がにわかに悪くなってきました。株価もさることながら、広報関係者からも期待したほどでもないといった声が聞こえてくるようになりました。
エジプトの政変がfacebookで起こったなどと聞いて、あわててアカウントをとったことをいまさら白状しても始まりませんが、当時の世評ほどのご利益が感じられなかった者としては、「やっぱりねえ」などと一人鏡に向かってドヤ顔をしております。
参加者数が日本で1000万人を越えたと報じられたのは昨年ですから、いまはもっと増えているのでしょう。すごい数字ですが、私の周囲でfacebookを仕事に使っている人はほとんどいません。
「友達」であるジャーナリストやら某県知事やら昔の部下やら数十人の書き込みを毎日拝見していますが、今日は出張なのか、あの人は被災地の出身だったのか、転んでケガをしたんだ、毎日ジョギングをしているんだ、東京マラソンに当たったのか、いまフランスに行っているんだ等々、面白くは読みますが、何かの役に立つという情報はほとんどありません。
ほぼ1年前でしたか、ソーシャルメディアをテーマにしたシンポジウムを聞いていたら、mailなんかもう必要ない、すべてのコミュニケーションがfacebookで可能になると断言するパネリストがいました。お仲間内ではそうなのかもしれませんが、その方の視界の外ではそのようにはなりそうにありません。
新しいIT技術が生まれると、これを使わないヤツはアホだというばかりなことを言い立てる人が出て来ます。いまは昔、バブル時代には金を借りないヤツはバカだと言う人が実際にいました。広報を仕事をしている人にとって、時の流行に乗り遅れるわけには行きませんが、何事もイレコミ過ぎないようにしなくちゃね。〈kimi〉
「デジタル人間」は存在する
アナログ人間とデジタル人間。最近あまり聞かなくなりました。アナログ人間は分厚い広辞苑をパラパラめくり、デジタル人間はパソコンの広辞苑を引くといった意味だったかと記憶します。アナログ人間=時代遅れの人間、デジタル人間=先端の人間と言いたかったのでしょう。そんなことはあり得ない、というのがデジタルが普及した今日の常識というものです。
しかし、アナログ人間とデジタル人間は厳然と存在すると思うのです。
アナログ時計は連続して針が動いて行きます。それに対して、デジタル時計は数字と数字が個々に独立しています。このアナロジーで周囲の人たちを見て行くと・・・
デジタル人間は変更に不寛容:プリントアウトしたスケジュール表に1分の変更が生じると、修正した上で改めてプリントアウトしないと気がすまない。「そんなものは赤のボールペンで訂正しておけばいいじゃないか」などと言うのはアナログ人間です。
デジタル人間は誤りに不寛容:「ネダ首相がね」と言い間違えると、「誰ですかネダ首相って?」と聞き返す。「ノダ首相のことでしょ」とか「ネタニヤフ首相のことですか?」と類推して修正するのはアナログ人間です。
デジタル人間はあいまいに不寛容:「それじゃ、午後イチってことで」と言うと、「午後1時のことですね」と確認する。「そうではなくて午後一番」と言い直しても不思議そうな顔をするばかり。午後イチで通じる人はアナログ人間です。
お判りのように、ここで言うデジタル人間とは、これまで頭が固いとか融通が利かないなどと陰口を叩かれていた人たちに一部重なります。こういう人たちに「あなたはデジタル人間だね」と言って差し上げれば、きっと世の中すべて丸く収まるというものではないでしょうか。〈kimi〉
「田中でございます」
最近、弊社のホームページで公開しているメールアドレスに「田中でございます」とか「佐藤からのご連絡」といった件名のメールがしばしば入って来ます。開いて見ると、ただの広告メールです。「資金調達のご用命は××へ」とか「△△なら電話代が8万円お得」などというタイトルをつけたのでは、開く前に削除されてしまうので、何はともあれメールを開かせようという魂胆なのでしょう。その姑息な作戦につい乗って、開封してしまうのがくやしい。こういう会社は、それだけで信用しないことにしております。
テレマーケティングの電話もたびたびかかってきます。これは、〈電話が掛かってきたら何はさておき受話器をとる〉という、ベルさんによる電話機の発明以来染みついた人類共通の習性を悪用したもので、いったん電話に出てしまうと、切るのに一苦労させられます。まんまと乗せられて聞きたくもない話に無駄な時間をとられるのですから、これも気に入りません。
毎日のようにファックスに入ってくる広告も、弊社のコピー用紙を勝手に使われているわけですから、どう考えても間尺に合いません。
全く無視するのが合理性というものなのですが、1000分の1くらいの確率で有用な情報があるのも事実で、それを逃すのも惜しいような気がします。そのような心理にまたまたつけこむのが、このようなプロモーションなんですねえ。〈kimi〉