甘やかしてはいけません

品質問題は危機管理広報で出番の多いマターの一つです。賞味期限を過ぎた製品を出荷してしまった、異物が混入してしまった、使用中に事故が起こった、医薬品で副作用が発生した、やせるはずなの効果がなかった・・・このような事態が発生したら、直ちに記者発表して謝罪するとともに対応策や再発防止策を表明する必要があります。とくに健康被害の可能性があるときには、社会に対するリスクを最小化するために絶対に講じなければならない措置ですが、健康被害が予想されないケースでも、顧客が求める、あるいは期待する価値が提供できないときは、同様の措置が求められます。それが現代社会における常識というものです。
ところが、お客様の期待する価値が提供できなくても、あるいはあらかじめ表示している品質を提供できなくなっても、社長が謝罪することもなく、具体的な再発防止策を示すでもなく、社員の簡単なお詫びだけですませている業種があります。それは鉄道です。
近頃しばしば遭遇する飛び込みなどによるダイヤの乱れは鉄道会社だけに責任を問うことはできないとしても、雪が降った、雨が降った、混雑した、故障した、すべった転んだと言い訳をしながら、毎日のように遅れを出しているのは一体どういうわけなんでしょう。毎日遅れるなら、そのようなダイヤに問題があるはずです。日本は雨が多く、冬になれば太平洋側でも雪が降ることがある。当たり前のことです。それらを理由に、品質低下(ダイヤ通りに運行できない)を容認する企業など、こと日本においては鉄道会社以外には存在しないのではないでしょうか。
ドアが故障した、信号が故障した、ポイントが切り替わらない・・・品質管理に問題があるんでしょう。どんな改善策をとったのかを鉄道会社が発表することはめったにありません。車内放送で車掌さんが謝罪メッセージを読み上げるだけですましています。
乗客の方も、電車が遅れるのはしかたがない、当たり前と考えているフシがある。甘やかしてはいけません。ここは一つ厳しくやってもらいたい、と昨日のダイヤ乱れで冷や汗をかいた私はそう思うのですが。〈kimi〉

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