悪者にされた広報活動

stap1
STAP細胞に関する論文に「重大な過誤」があったという発表と、それまでの一連の報道には驚きました。本当にSTAP細胞が存在するのかどうかはともかくとして、少々気になるコメントが複数の識者から出されています。
発表は功をあせりすぎた結果ではないか、早く“広報したい”という気持が影響したのではないか、というものです。ある高名なコメンテーターは、研究に広報が関与するのはけしからんといった発言までしていました。
これは極めておかしな意見です。「重大な過誤」が功を焦った結果であろうことは容易に推測できます。が、それと広報活動を安易に結びつけるのはいかがなものでしょうか。
早いタイミングで大々的に記者発表することで得をする人がいたとして、その人の関与があったのだとしても、それと論文内容の「重大な過誤」との間に因果関係があるはずがありません。割烹着姿での研究風景も、広報効果を狙った意図的な仕掛けであったかもしれませんが、それと今回の問題の本質とは別問題です。
素晴らしい研究成果はいち早く広く知られるべきものです。国民は知る権利を持っています。また、科学は自由な発表が保証され、反論の自由もまた保証されるべきものです。これには誰も異存はないでしょう。問題は、広報活動をすることにあるのではなく、「重大な過誤」のある論文を投稿したこと、また一流専門誌がそれを査読で通したことに尽きるはずです。〈kimi〉

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です