リベラルアーツの違い

オバマ米大統領が広島で行ったスピーチ安部首相のスピーチを新聞読んで、その違いにしばし呆然となりました。オバマ大統領のスピーチはまさに「演説」と言えますが、安部首相のスピーチは説明とか解説に近い。広報を仕事にしている人間として、とっさにスピーチライターのレベルの差だなあ、と考えてしまいました。もちろん大統領自身、首相自身が指示し手を加えてはいるのでしょうが、スピーチライターが下案をつくり仕上げているのだろうと推測します。
どこで違いが生まれたのか。いわゆるリベラルアーツの差ではないでしょうか。欧米の政治家や知識人の教養の深さとそれを基盤とする思考の深さには驚かされることがしばしばあります。リベラルアーツはギリシヤ、ローマ時代に源を発する7つの学科なのだそうですが、どうしたら選挙に勝てるかとかどうしたら儲かるかとかどうしたら勲章がもらえるかといったこととは次元の異なる深い教養を意味していると言っていいでしょう。
そのような深い教養がいまの日本の政治家や財界人からは感じられません。その違いがスピーチの違いに表れたと想像します。かく申す私自身もリベラルアーツは持ち合わせていないので、誠におこがましいのではありますが・・・。