部下となった女性から真っ先に申出がありました。毎年夏に地元のお祭りがあって、その翌日は声が出ないのでお休みをいただきたい。そういうことなら休んでもいいよと即答しましたが、声が出なくなるお祭りとはどんなものか、その年の祭を早速見物に行きました。そこで見たのは、山車の高い高い屋根の上で半纏にパッチ姿で掛け声をかけている彼女の姿でした。彼女は生まれ育った町内のお祭りクイーンだったのです。
その八王子祭を一昨日久しぶりに見に行きました。山車上の小さな舞台で舞うお神楽とお囃子で山車同士が合戦をするのが見物です。一昨日は盆踊りの参加人数のギネス記録を更新したとか。東京でも23区内では知られていませんが、なかなかに盛大です。人出も多いのですが、浅草や神田あたりの祭に比べたら適度であるところが気に入っています。
かつてお祭りクイーンだった彼女の姿もありました。さすがにいまは屋根には乗らず、高齢者の車椅子を押しながら山車の後を進んでいました。女王から皇太后になったといったところでしょうか。これもボランティアの一つのあり方。地域と共生していることに違いはありません。あのとき、お祭り翌日の休暇を認めてよかったと考えています。