D さん

労働基準法違反の疑いで労働局が電通に立入調査に入ったそうです。このニュースに対する新聞各社とテレビ各局の扱いにはかなり違いがありました。深読みすると大いに楽しめます。
電通ばかりでなく大手広告代理店の営業さんは昔から夜遅くまで働いていました。大手代理店が夜まで働いているので、その下請けであるプロダクションも遅くまで帰れない。クライアントの方までそれにつき合わされることになります。これには朝刊の締め切り時間も影響しているのでしょう。緊急事態ともなれば、早版を確認する必要が生じることもあります。
なにはともあれ電通の力は圧倒的で、下請け企業ばかりでなく広告主やその団体まで、電通に関する話をするときは、「Dさん」などと声を潜めて隠語で呼ぶのは、どう考えてもおかしなことです。

定期忘れた!

会社を辞めてフリーになった人が、改めて実感するのが交通費の負担なのだそうです。会社勤めなら仕事であちこち移動しても、交通費は会社に請求できましたから意に介することもありませんでした。しかし、一人になって自腹を切るとなると、電車賃はどんどん累積して行きます。1日千円かかるとすると20日で2万円ですから。
と、そんなことを考えたのは、今朝定期券とPASMOを忘れて家を出てしまったからです。急に涼しくなったので合い服に替えたら、ポケットからポケットへ移し忘れたという次第。片道600円。痛いです(;_;)。

明るい気分になりました

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国際福祉機器展へ行ってきました。医療関係の展示会は毎年あれやこれや見学していますが、福祉機器は初めてです。いや、驚きました。会場の広さ、出展社数、ブースの規模、入場者の多さ。どれも医療系の展示会を凌駕しています。この市場がそれだけ拡大しているのでしょうし、また将来の発展も見込めるということなのでしょう。
自動車メーカーは揃って福祉車両を展示していました。足だけ、あるいは手だけで運転する仕組みなど、実によく考えられています。それが200万円少々で買えるのですから驚きます。
車椅子もカッコよくなりました。持っていたらちょっと自慢したくなるようなデザインや機能を持つ製品が内外のメーカーから出展されていました。トイレの工夫や入浴設備などもずいぶん進化しています。
このような工夫や進歩によって、誰もが暮らしやすい世の中に少しずつなって行くのだろうなあ、と見て回るうちに明るい気分になってきました。そこが医療系の展示会と少し違うところかもしれません。

恥ずかしながら

恥ずかしながら引っかかってしまいました。クレジットを使って詐欺サイトへ商品を発注してしまったのです。
休日にたまたまサングラスを落として割ってしまいました。代りを購入するつもりでネットを探していたら、amazonで4割引きを見つけて発注しました。そこでやめておけばよかったのですが、さらに欲深くネットを探索したところ、驚くべき安さのサイトを見つけてしまったのです。あわててamazonをキャンセルして乗り換えたのですが、発注をかけたまさにその瞬間に「これは詐欺サイトだ!」と気がついたのでした。なんでもう3秒早く気がつかなかったのか、そこが不思議なところです。だからこそ詐欺屋さんの商売が成り立つのでしょう。
すぐにクレジット会社へ電話してカードを無効にしてもらいました。すると担当の方が「こちらで対応いたしますので、何もご心配はいりません」とやさしく言ってくださいました。詐欺被害に遭って心的トラウマを受けている人たちへの対応を十分に研究しているのでしょう。これは素晴らしい対応だと、すっかり感心してしまったのでした。

速いに越したことはありません

新幹線網の整備で都市間の移動時間はずいぶん短縮されましたが、リニア新幹線が着工したいまとなると中途半端かなという気にもなるので、人間というものは贅沢なものです。たとえば今日の大阪での1時間半の打ち合わせ。午後1時前の新幹線に乗って3時過ぎに着き。6時の上りで引き返して、9時半過ぎに帰宅しました。半日はかかります。リニアなら片道1時間少々になるようです。さまざまな情緒的拒否反応はあるでしょうが、仕事なら無駄な時間が少ないに越したことはありません。リニアが開通するころまで仕事はしていないので、どうでもよいと言えば、どうでもよいことなんですが。

マナーがよ過ぎませんか?

日本人のマナーが最近悪くなっていると主に保守的な人たちが主張されているようですが、そんなことはない、戦前戦後の方が悪かったのだという記事をネットで見かけました。実感としてはそれが正しいと思います。
先日の土曜日、神楽坂の毘沙門様(善國寺)の境内でしばらく休んでいました。すると、参拝を終えた人たちがかなりの割合で山門で振り返り、一礼してから出て行きます。個人的な印象ではありますが、少なくとも昭和の後半にはこのような行動はあまり見られなかったような気がします。寺社の参道の真ん中を歩いてはいけない、などというのもありますが、おじいさん、おばあさんと一緒に参拝することも少なくなり、改めてネットで調べたら、そのような参拝方法が書かれていたのではないでしょうか。よいわるいの話ではありませんが、あまり世の中を堅苦しくするのもどんなものでしょうか。

奈良時代の破斯人

平城宮跡で出土した「天平神護元年」(765年)と記された木簡に、ペルシャ人の役人とみられる「破斯清通」という名前があったいうニュースがありました。
http://mainichi.jp/articles/20161006/k00/00e/040/212000c
私事ですが若いときに、異色の趣味を持つ医師を訪問してルポを書く仕事をしていました。その中に歴史に詳しいドクターがおられて、奈良時代にペルシャ人が日本に来ていたというお話をうかがいました。毎回、同じような切り口のルポでは面白くないので、続日本紀に書かれている李密翳という名のペルシャ人を主人公にした短い物語を書いて、冒頭の「つかみ」にすることにしました。
幸か不幸かそのルポが掲載されたPR誌も原稿も残っていませんので、いまさら読まれて恥ををかくことはないと思いますが、ニュースを見てしばし恐れを知らぬ若き日を思い出したのでありました。

カステラとおくんち

2年前まで勤めていた社員が福砂屋の「特製三五焼カステラ」をお土産に会社を訪ねてくれました。折しもこの7日から長崎のおくんち(長崎くんち)が始まります。
何年か前におくんちを見物に行きました。町内ごとに異なった傘鉾や曳物を持っているのは京都の祇園祭と似ています。ただ、その年に出演できる町内が決められていて、踊町と呼ばれるその順番は7年に一度しか巡って来ません。
メイン会場で見物していたら、ある演じ物にかわいいお稚児さんが登場しました。スピーカーで紹介されたそのお稚児さんは福砂屋さんのお孫さん(?)でした。こういう役割はやはり地元に貢献している老舗、名士の家に割り振られるものなんですね。
おくんち見物の記憶より、そのことが妙に印象に残っています。

ノーベル賞週間

大隅氏にノーベル賞が授与されることが発表されて、今年もノーベル賞週間が始まりました。日本人が受賞するとメディアはその話題ばかりになりますが、そんなことがいつまで続くのでしょうね。
湯川博士が1949年に受賞してからしばらく日本人の受賞がありませんでした。もう日本人は受賞できないのではないかとか、人種差別だといった悲観論が出ていたときに、16年ぶりに朝永博士が受賞しました。そのときは日本中が大喜び。そういうことならまあ理解できますが、すでに26人も受賞しているんですからね。日本人以外の受賞者に対しての冷淡さと比較すると、さらにその異常なはしゃぎぶりが際立ちます。受賞は素直に祝福するとしても、授賞式までの間の大騒ぎにはメディアの商業主義の臭いもして、いささか違和感を覚えますね。

反論は無茶でしょう

国立がん研究センターが、受動喫煙によって日本人の肺がんリスクが約1.3倍に増えると発表したのに対して、JTがすぐに社長名で反論しました。ところが、がんセンターが先週、再反論をホームページのトップで発表したと朝日新聞が報じました。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ9Y5GC8J9YULBJ00J.html
さっそくそれらの文書を読んでみたのですが、がんセンターの反論は極めて冷静かつ理論的で説得力のあるものでした。明らかにJTの負け。疫学ないし医療統計学に対する無知をさらけ出し、科学的な会社ではないなあ、というイメージを発散させてしまいました。
想像するに、がんセンターの発表で、JTははらわたが煮えくりかえったのでしょうね。「すぐに反論しろ!」とトップから号令がかかったのかもしれません。しかし、敵は日本の疫学の総本山。生半可な知識と理論で対抗しようとするのは極めて困難です。そのことに気づかなかったのがそもそもの敗因ではないでしょうか。広報的にはツッコミどころがいっぱい。いきり立って真っ正面から反論するのではなく、ほかにも有効な手段が考えられたと思うのですが、筆者もアンチタバコなので、これ以上は書きません(^O^)。
国立がん研究センターの発表「受動喫煙による日本人の肺がんリスク約1.3倍
肺がんリスク評価「ほぼ確実」から「確実」へ」8月31日
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20160831.html
日本たばこ産業株式会社(JT)の反論「受動喫煙と肺がんに関わる国立がん研究センター発表に対するJTコメント」(8月31日)
https://www.jti.co.jp/tobacco/responsibilities/opinion/fsc_report/20160831.html
国立がん研究センターの反論「受動喫煙と肺がんに関するJTコメントへの見解」(9月28日)
http://www.ncc.go.jp/jp/information/20160928.html