電通の長時間労働の一件、厚労省による強制捜査、立件などまだまだ拡大しそうです。
報道やブログなどを読んでいると、クライアントにも責任があるなどと言っている人がいますね。クライアントが遅くまで仕事をしているから、“究極のサービス業”である広告代理店も、それにつき合わなければならないのだというのですが、その論理なら、広告主である大企業も長時間労働が慣習化しているということになります。これは責任転嫁のように聞こえます。
しかし、クライアントにまったく責任がないか、と言えばそうとも言えません。「この資料、明日の午前中までにまとめて持って来てくれないかなあ」などと前日の午後8時過ぎに電話をする。電話の相手が作業する時間をまったく考慮することのない指示です。これに“究極のサービス業”である広告代理店は従わなければなりません。それがビジネスというものでしょう。
殿様か独裁者にでもなったかのように錯覚している大スポンサーの宣伝部員も、この際、反省すべきだと思いますね。もっとも宣伝部員をそのように思い上がらせたのもまた広告代理店なのですから、そのことも重々反省すべきだと思います。
かつて企業の宣伝責任者であったときを振り返っての自己反省でもありますが。