独り酒の楽しみ

外で独り酒を飲むことはまずありません。例外は旅先です。旅に出るときは一人が多いので、どうしても独り酒になります。ぶらぶらと繁華街の裏あたりを一周して、目星をつけた店に入ります。
カウンターに一人で坐るのはなかなかいい気分。これは人さまざまでしょうが。
その土地のうまい食材や料理をアテに酒杯を傾けるのが楽しみですが、酔いが回るほどに、他の客さんと話が盛り上がるのも独り酒の効用です。東北のある街で隣り合った40代初めの男性から聞いた身の上話は、関東出身の子連れの女性と結婚したが、間もなく女性は亡くなってしまい、残された子をやむなく施設に預けていまも毎月かかざず面会に行っているというものでした。いろいろな人生があるものだなあ、と胸にしみたのでした。
会話をするまでに至らなくても、隣の客同士の話が耳入ってくるのも 独り酒ならではです。盗聴するつもりはありません。一人だと自然と耳に入ってくるのです。
先日たまたま事情があり、バスを途中下車して近くの鮨屋の暖簾をくぐりました。カウンターの先客は、年配のご夫婦とその娘とおぼしき女性の3人。うまい地酒と高いネタを次々の注文していました。耳に入ってきたのは、女性は離婚を経験したこと、初めて鮨屋に両親を連れてきたことなどです。お父さんもお母さんもとても嬉しそうで、親孝行しているのだなあと、こちらの心も温かくなりました。
ちなみに、帰がけ勘定を払ったのはお父さんでした。

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