先ごろ高校時代の同級生が亡くなりました。多少は世に知られた絵描きだったので、小さなスペースながら遺作展が開かれるのだそうです。
そこで同窓生でささやかな偲ぶ会を開こうという企画が持ち上がりました。幹事さんから出席しろ出席しろとメールや電話をたびたびいただきますが、なんとなく気が進みません。
故人とは、高校時代は同級生としての親交はありましたが、卒業後は2~3回会ったことがある程度です。他にもっと親しかった同級生はいますし、いまに至るまで酒を酌み交わしている友人もいます。
月刊文藝春秋誌に「同級生交歓」というグラビアページがあります。あの企画には、功成り名を挙げた名士ばかりが登場します。無名の同級生は出してもらえません。
他の無名の同級生が亡くなっても偲ぶ会など開かれることはないでしょう。それが有名になることの価値というものなのでしょうが、何か心に引っかかっるものがあります。