オーナーシップの違い

スズキと三菱自動車の燃費データの測定違反に関する謝罪会見の違いを指摘した記事が日経ビジネスONLINEに掲載されていました。なるほどなあ、と思いますが、鈴木修会長と益子修会長兼社長の決定的な違いは、オーナー経営者とサラリーマン経営者(あるいは雇われ経営者)の違いにあるように思います。
医療機器業界でも大きな会社のサラリーマン社長と小さな会社のオーナー社長とではそのマインドが大きく異なることを実感しています。どちらがよいということではありません。大きな相違点はオーナーシップの強弱です。小さな会社ではそれがあり過ぎるがために成長を妨げている面があるし、大きな会社ではそれがなさ過ぎるがために成長スピードが遅くなっている面があるようです。
蛇足ですが、日経ビジネスの記事の3ページ目に引用されている益子社長(当時)の話はなぜかリアルタイムで聞いていました(^O^)。

何かに似ていると

北海道で父親に置き去りにされた小学校2年生が3日、自衛隊の施設で無事に見つかりました。本当によかった。しかし、父親の運転する車が遠ざかるのをこの子はどんな気持で見送ったのかと思うとつらいですね。親から捨てられたと信じたでしょうか。
あくまでも想像ですが、小さくなって行く車の後姿は、この子にとって「家に帰るな、この原野にいろ」という非言語的なメッセージになったのかもしれないと考えました。だから車のあとを追わなかった。車の道からそれて演習場の施設に1週間もとどまっていたのではないか、と。
そう考えたら、これは何かに似ていると気がつきました。
突飛に思われるかもしれませんが、小野田少尉です。「ここで3年でも、5年でもがんばれ」と命令されてルバング島のジャングルに「留置」され29年間隠れていました。発見されて、命令解除されるまで小野田さんは命令を守り続けました。
今日の日経新聞によると、男の子は「保護されるまで「誰かが必ず助けに来てくれる」と考え」たそうです。小野田さんだって、そう考えていたに違いありません。どこか似ているように思えるのですが・・・。
 

文房具屋がなくなった

弊社の近くにあった老舗の文房具屋が先月破産しました。「アスクル」とか「たのめーる」とか、メールを送れば翌日、ときにはその日のうちに届くサービスが普及したので、実店舗での売上は伸びないのだろうなあ、などと勝手な推測をしていました。
直接の倒産要因はわかりませんが、少々営業努力が足りないとは感じていました。大きな店にもかかわらず品揃えが少ない。先日も外国製のボールペンのリフィルを買いに行ったのですが、ありませんでした。資金繰りも厳しかったのでしょうね。身につまされますね。
しかし、ちょっと走って買いに行ける文房具屋が近所にないというのは不便ですよ。今日も弊社では、プレゼンの用意をしながら「あれがない」、「これがない」と大騒ぎしております(^O^)。

ひっかかっちまった!

朝、PCのメーラーを開いたら、こんなメールが入っていました。

拝啓
達員が注文番号 70448999○○○○ の商品を配達するため電話で連絡を差し上げたのですが、つながりませんでした。
従ってご注文の品はターミナルに返送されました。
ご注文登録時に入力していただいた電話番号に誤りがったことが分かりました。
このメールに添付されている委託運送状を印刷して、最寄りの 日本郵取り扱い郵便局までお問い合わせださい。

うっかり添付のZIPファイルを開いてしまいました。ワクチンソフトは入れてあり、いまの時点ではおかしな動作や被害は確認していませんが、少々不気味です。
冒頭の「達員」というのがそもそもおかしいので、冷静にメールの文面を読めば怪しいと気づくはずなのに、実にうまい引っかけ方です・・・と感心していてはいけないのですが。

企業退職者の会

昔むかし勤めていた製薬会社のOB会で、世話人を押しつけられてしまいました。いわゆる新卒プロパー社員ではありましたが、40歳で中途退職しましたので適任ではないとお断りしたのですが、世話人の候補者が少なくなってきたからと泣きつかれました。責任重大で少々気が重いというのが正直な気持です。
その会社はその後合併し、さらに大手に吸収されてすでに存在しませんので、総会をやるたびに出席者の高齢化が進みます。新入会員がいないのですから先細りは目に見えています。会社から補助をいただくこともできません。それでもささやかな総会兼パティーを開催すると70人ほど集まり、若き日にともに仕事をした人たち同士話題はつきないようで大いに盛り上がります。
折しも本日、その会社を吸収した大手企業の「社友会」が一流ホテルで開かれるようです。きっと盛大なのでしょうね。

お葬式の展示会

世の中には実にいろいろな展示会があるものです。このところ札所巡りなどもしているので、お寺さんの調度、備品などの展示会もあるのではないかと気づきました。仏具はもちろん、お経を上げるお坊さんの座布団だとか参列者の足のしびれを防止する椅子など、メーカーもたくさんあるでしょうし、新たに市場参入しようという企業もあるに違いありません。
ネットで検索してみたら、寺院ビジネスショウのようなものは見つからず、代わりに「エンディング産業展」というのが東京ビッグサイトで開催されるのを発見しました。お葬式の展示会なのです。開催期間はお盆明けで、初日が友引だそうです。うまく考えられています。
祭壇、霊柩車、お棺、ドライアイス等々の葬祭設備、筆耕、僧侶、司会派遣などの業務支援、その他石材、霊園、仏壇から相続相談、フォーマルウエアまで展示されるようです。おもしろそうではありますが、関係者以外はあまり行きたくない展示会ですね。

リベラルアーツの違い

オバマ米大統領が広島で行ったスピーチ安部首相のスピーチを新聞読んで、その違いにしばし呆然となりました。オバマ大統領のスピーチはまさに「演説」と言えますが、安部首相のスピーチは説明とか解説に近い。広報を仕事にしている人間として、とっさにスピーチライターのレベルの差だなあ、と考えてしまいました。もちろん大統領自身、首相自身が指示し手を加えてはいるのでしょうが、スピーチライターが下案をつくり仕上げているのだろうと推測します。
どこで違いが生まれたのか。いわゆるリベラルアーツの差ではないでしょうか。欧米の政治家や知識人の教養の深さとそれを基盤とする思考の深さには驚かされることがしばしばあります。リベラルアーツはギリシヤ、ローマ時代に源を発する7つの学科なのだそうですが、どうしたら選挙に勝てるかとかどうしたら儲かるかとかどうしたら勲章がもらえるかといったこととは次元の異なる深い教養を意味していると言っていいでしょう。
そのような深い教養がいまの日本の政治家や財界人からは感じられません。その違いがスピーチの違いに表れたと想像します。かく申す私自身もリベラルアーツは持ち合わせていないので、誠におこがましいのではありますが・・・。

それでいいんや

昨夜のNHKハートネットは「こんなはずじゃなかった 医師 早川一光」でした。改めて書くまでもありませんが、早川先生は在宅医療の先駆者の一人です。92歳。がんで闘病されておられるそうです。
実は若い頃、製薬会社のPR誌のライターとして早川先生を取材したことがあります。先生は往診に行くからついて来いと言われました。京都の暑い夏の日でした。西陣の細い路地を右へ行ったり左へ行ったり。行く先々のお宅で氷の入った麦茶が出されました。お腹はすぐにガボガボになりましたが、先生は嫌な顔もせずおいしそうにみなグッと飲み干しました。最新、最高の医療ではないかもしれませんが、また最良でもないかもしれませんが、よい医療が確かにそこにはあるような気がしました。
取材のために3回も京都へ行きました。取材が難しかったのではありません。先生からもっともっとお話をうかがいたかったからです。
偉いお坊さんが「死にとうない、死にとうない」といいながら亡くなった。「それでいいんや」とそのとき先生はおっしゃいました。そんな話をテレビを見ながら思い出していました。

企業内OB会

週刊ダイヤモンドが慶應のOB会「三田会」を特集しています。それを読んで思い出したことがあります。企業で広報の責任者をしていたとき、出身大学の総長室の方から面会を申し込まれました。会ってみると、「ぜひ御社でもわが大学のOB会をつくっていただきたい」というご要望でした。しっかりOBの社員リストを持参しています。あの人もOBなのか、とリストは興味深く拝見しましたが、即座にお断りしました。
「いまの世の中、社内で派閥をつくるようなことはあり得ませんよ。時代錯誤なんじゃないですか」と申し上げたところ、「そういうお話もあちらこちらの会社でうかがいます」とのご挨拶でした。
いまもそのような活動をしているのでしょうか。やめた方がよいと思うのですが。

どうでもいいこと

小金井市で若い女性が刺されて重体になったというニュースがありました。各紙とも「アイドル活動をしていた大学生」といった表現で被害者の属性を表現していますが、昨日のJ-Cast ニュースによれば、ガールズユニットのメンバーだったが最近は作詞・作曲まで手掛けるシンガーソングライターとして活動していたそうで、アイドルではないと主張する「識者」もおられるそうです。
要するに大学に籍を置きながら芸能活動をしていたということでしょう。はっきり申せば「どうでもいいこと」。なんだかどっと疲れを感じますね。そんなことより被害者の一日でも早い回復を祈ります。