時計はどっちを向いている?

このところ大学や大学院の教室にうかがう機会が多くなりました。先生の席にすわったり学生の席にすわったり、いろいろなんですが、どちらにすわっても時間が気になります。そこで不思議なことにがついてしまいました。教室の時計はたいてい生徒の方を向いている、つまり先生の背中側の壁にかけてあるという事実です。
ところが、落語や漫才をやる寄席では、時計は必ず芸人さんの正面、つまり客席の背中側に掛かっています。教室とは正反対です。
寄席では、お客さんには楽しい時を過ごしてもらいたい。上演中は時間を気にしないでもらいたい。お客さんが時間を気にするようなら、その芸はお粗末ということになります。だから時計は観客から見えにくい位置に掛かっています。
出演する落語家や漫才師には15分とか20分とか、持ち時間が厳しく指定されています。プログラム通りの時刻に「お後がよろしいようで」と下がってもらう必要がある。そのために芸人さんの真正面に時計があるわけです。寄席の時計の位置は実に合理的です。
教室の時計の位置は、つまらない講義から解放されるまでのカウントダウンを学生にさせるためなのでしょうか。教師は時間を気にせず好きなだけ講義を続けなさいということなんでしょうか。よくわかりません。時間を気にする講師はわざわざ腕時計を外して台に置いたりしています。これってすごい不合理です
大学の事務当局はただただ前例にならっているだけで、な~んにも考えていないということなんだろうと思いますが、これって顧客視点に立っていませんよね。少子化が進んで大学も大変な時代だというのにねえ。〈kimi〉

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